R2.0.2132
この更新プログラムには、2D 図面に関する一連の新機能、クラウド レンダリングの新しいカーネル、さらに数多くの修正が盛り込まれています。Fusion の世界は常に進化しているのです。
更新プログラムを本稼働させる前に、開発チームは背後に潜むバグをすべて取り除くことを常に心がけ、多くの改良を加えてきました。目立った変化としてすぐに気づかないかもしれませんが、多数あることは確かです。このアップデートには非常に多くの改善点が含まれるため、個別にすべての修正を挙げていくと膨大な情報量になります。そのため、ここでは特に重要な新機能、改善点、修正点について簡単に説明します。それでは始めましょう。
図面
まるで、真夏の庭にまんべんなく散水するスプリンクラーのように、2D 図面の新機能が図面作業スペースの至るところに施されています。この更新によって実現されたことは概して次のようになります。
表題欄に自動入力 - 「手間のかかる作業が好き」 - という人はいません。Fusion に作成した設計に基づいて図面を作成すると、その図面の表題欄には設計の名前、保存されるプロジェクト、作成された日付、作成者の名前、尺度が自動的に挿入されるようになりました。もう手動で入力する必要はありません。表題欄を変更する場合は次のように行います。表題欄をダブルクリックして、目的のフィールドにユーザ独自の文字を入力すれば、それらが更新されます。ASME 規格と ISO 規格の両方に対して機能します。

表題欄にイメージを挿入 - 表題欄に Fusion のロゴがあることにお気づきでしょうか。そうです。表題欄にはご自身でカスタマイズした会社のロゴを挿入することができます。[表題欄を編集]ダイアログ ボックスには、ロゴの下に挿入イメージのオプションが表示されます。挿入するイメージを取り込み、それをロゴ領域の境界の隅にスナップします。コマンド ダイアログのオプションを使用して、尺度変更、移動、回転ができます。標準的な画像形式(JPEG、PNG、および TIFF)がサポートされています。

キーボード ショートカット - Fusion ではキーボード ショートカットを引き続き拡張していますので、図面作業スペースでの便利なショートカットをいくつかご紹介します。次のキーを押して図面固有のツールをすばやく呼び出すことができます。
P = 投影ビュー
M = 移動
C = 中心マーク
D = 寸法
T = 文字
B = バルーン
Delete または Backspace = 削除
関連付けられているショートカット キーがあるツールの上にカーソルを合わせると、ツールチップに表示されるので、覚えようとしなくても大丈夫です。

テキスト、寸法、引出線注記に記号が使えるようになりました - テキストと寸法については、それらのツールを開いたときに、標準の記号パレットから記号を使用できるようになりました。

[移動]コマンドの強化 - 以前は、[移動]コマンドをクリックしたとき、コマンドをクリックしたという事実のみをフィードバックとして受けました(青でハイライト表示)。選択しているビューの数、またはオブジェクトを移動する方法についてのフィードバックが得られなかったため、多少の混乱を招くものでした。選択項目の数に加え、ポイント間の移動コマンドを示すダイアログ ボックスが追加されたため、Fusion の UI 全体での使いやすさと一貫性が向上しました。
マルチアセットのサポート - 同じ図面上に設計のアイソメ ビューと分解ビューを並べて一緒に表示させたいと考えたことはありませんか?現在は変更できます。この機能が複数アセットのサポートと呼ばれる理由は、アイソメ ビューはモデル アセットに由来するのに対し、分解ビューはアニメーション アセットに由来するため、1 つの図面に複数のアセットが混在するからです。


レイヤーの事前割り当ておよび古い図面のマイグレーション - 以前は、Fusion 図面にタッチアップを作成する場合、それをエクスポートして別の CAD ソフトで開くと、すべてが 1 つのレイヤー上にフラット化されていました。現在は、ビュー、注釈、表題欄、境界などのレイヤーがあります。レイヤーの改善の第 2 段階では、Fusion 内部でレイヤーのプロパティを表示して管理することができるようになります。
2D 図面作業スペースでのその他の重要な修正をいくつか示します。
2D 図面の中で[移動]コマンドを使用して表題欄を移動すると、Fusion がクラッシュすることがあるというバグが見つかりました。不適切でしたが、現在は修正されています。
以前は、図面を作成し、図面上にシェーディングされたビューとシェーディングされていないビューを配置し、図面を保存して再度開き、表示スタイルの設定を変更しようとしたとき、それらを変更することはできませんでした。また、シェーディングされたビューの尺度を変更した場合、シェーディングが消えていました。今回の更新では、この問題が修正されました。
英語以外の環境でツールチップをカーソル上に置いたとき、ツールチップに多くの「0」が(1 も同様に)表示されるという奇妙な動作がみられました。この問題は解決されました。
設計とモデリング
Sinuswave で報告された問題として、[押し出し]ツールではプレビューの表示方向とは反対方向に押し出しが作られていました。背後でのプロセス トラッキング コードの動作に不具合があることが発見されました。今回の更新では、この問題が修正されました。
以前の結合操作において、すべてのボディが同じカラーで表示されているため、結合、切断、交差のどれを行っているかが視覚的に判別しにくくなっていました。結合を青、切断を赤、交差を黄色で表示するようになりました。これらは IdeaStationの送信としてmaruska および gabriele から提供されたもので、今回実装されました。

共有の穴フィーチャを含むコンポーネントをコピーとして保存すると Fusion がクラッシュするという問題が修正されました。共有は大切な機能です。問題の修正により可能になりました。
[ミラー]コマンドを使用し、基準平面に対してミラー フィーチャを作成すると、[パラメータ]ダイアログ ボックスによって理由なく countU と呼ばれる新しいパラメータが生成されていました。このパラメータは生成されなくなりました。
タイムラインに黄色または赤色のフィーチャがある設計を開いた場合に、フィーチャの上にカーソルを合わせるまでそれが黄色なのか赤色なのかがわからないというバグが見つかりました。まるで実験するまでわからない血液検査のシーン(映画 "遊星からの物体X" のワン シーン)のようです。この問題を修正し、黄色と赤のフィーチャが正しく表示されるようにしました。
タイムラインでフィーチャを並べ替えしようとしたときに、履歴マーカーがカーソルの動きより遅れる場合がありました。カーソルを前後に小刻みに動かすと、マーカーが最終的に追いつくことが分かりました。怠惰はさらなる怠惰を生みます。この不具合を修正し、より速く応答するようになりました。

フィーチャのグループ内に長いタイムラインを持つグループがあり、展開されたグループ内でフィーチャのグループをさらに展開し続けると(10 倍の速さで)、時間の経過に伴ってメモリ使用量が増大し始めるというメモリ リークの問題が発生していました。手に負えなくなる前にこの問題に対応することができました。
[基本設定]ダイアログ ボックスでオービット動作(自由オービットと拘束オービット)を切り替えても、ナビゲーション バーのオービット アイコンが更新されないというナビゲーションの不具合は修正され、正しく更新されるようになりました。
スケッチ
スケッチの尺度変更と移動 - Claas の IdeaStation の投稿(114 件の投票)にあった、スケッチの尺度変更と移動の機能が Fusion に実装されました。[修正]ドロップダウンの[尺度変更]コマンドを使用して実行できるほか、専用の尺度変更コマンドも[スケッチ]ドロップダウン メニューに表示されます。
ダブル クリックによるチェーン選択 - コミュニティから便利な機能が提案されました。T スプライン ボディで連続エッジを 1 箇所ダブル クリックすれば、個々のエッジをクリックしなくてもエッジ全体を選択できることはご存知でしょう。この操作がスケッチでも実行できるようになりました。TrippyLighting によるアイデアの投稿に感謝します。

オフセット コマンドに多くの改良が加えられました。アクティブなスケッチ環境にいない場合にツールをグレーアウト表示する方法についてのフィードバックをいくつかいただきました。投影されたエッジをスケッチの外側にオフセットすることが困難になっていました。オフセット対象のプロジェクト スケッチ ジオメトリがある場合にいつでも使用できるようになり、明示的にスケッチ環境にいる必要がなくなりました。

以前はスケッチをオフセットすると、ドラッグしている新しいプロファイルに伴って矢印マニピュレータが移動せず、元のプロファイルにとどまっていました。これは自然な動作ではありませんでした。現在は、ドラッグすると新しいプロファイルとともに移動するようになりました。

オフセットに関連するいくつかの不快なクラッシュの問題が修正され、安定性が向上しました。
Rshouker が、タイムライン内でスケッチを編集しているときにコンポーネントが非表示になるという、奇妙な問題を報告しました。Jeff Strater と開発者たちが発見したこの問題は、タイムラインのフィーチャをデザイン終了マーカーの後に並び替えた場合、Fusion で表示順序の依存関係に違反することが可能になってしまうというものです。今回の更新では、この問題が修正されました。
約 2 週間前に Ruge2 が投稿したこのバグでは、Fusion でトリムしたいスケッチ線を確実にトリムすることができませんでした。今回この問題が修正されたことを報告します。迅速な解決についてお話しします。
線分のスケッチの問題があり、線分をスケッチし、次に 2 番目の線分のスケッチを開始すると、寸法入力フィールドが注意喚起のために作成中の 2 番目の線分の前に表示されていました。詳しく調査した結果、順番を待つためであることが確認されました。現在は予想どおりに動作するようになりました。
特定の SVG について、それを Fusion に挿入するとその円弧が反転するという問題が見つかりました(これも反転の問題です)。これとは別に tonyallen28 によって報告された問題では、インポートした SVG がプロファイルでブレークされた状態になり、どの種類の 3D ジオメトリも作成できなくなっていました。これらの問題はすべて解決しました。
下書き線がスケッチ内で削除された場合にスケッチ環境から出ると、理由なく下流のボディが移動するという報告を受けました。開発者がこの問題を調査したところ、更新要求でダイレクトとパラメトリックのモデリングが混同されていたことが判明しました。この問題は今回の更新で修正されています。
フィレット、トリム、延長、ブレーク、またはプロジェクト コマンドの実行の際にボディの面を選択すると、これらのツールが準備された状態でスケッチ環境に誘導されますが、選択項目が消えないというバグが発生することがありました。今回の更新では修正され、正常に動作するようになりました。
曲線からの寸法を追加するために曲線の中点を選択する場合、以前はあまり精度が高くなかったため、ゆっくりと行う必要がありました。選択の動作が改善され、かなり便利になりました。
グラフィックスおよびビジュアライゼーション
新しいクラウド レンダリング カーネル - カーネルが更新され、クラウド レンダリングがより見やすくなりました。レンダリング スピードが改善され、ノイズが減ってリアルさが向上しました。
ガラス マテリアルは美しく、きれいに表示されます。

半透明なマテリアルのノイズはかなり減りました。

放出マテリアルは、ノイズや厄介なアーティファクトのない状態でレンダリングされるようになりました。

影部分は、深度や色のにじみが改善され、リアルさが向上しました。

反射マテリアルは、コースティクスが改善され、本来の色を反射するようになりました。

マテリアルの改善 -以前、3D 木目テクスチャ マッピングのツリー変換では最も長い軸が正しく Z 軸に沿って配置されていましたが、X 軸と Y 軸は境界ボックスの最小と中間の寸法に沿って一貫して配置されていませんでした。更新により、X 軸と Y 軸が境界ボックスの最小と中間の寸法に沿って一貫して配置されるようになりました。
グラフィックスのパフォーマンス - 設計上で多数の T スプラインの面とエッジを窓選択するときのレンダリングのパフォーマンスが低いというご意見が寄せられていました。このご意見を受けて、グラフィックスのチームが努力を重ねた結果、フレーム レートが平均で 2 倍から 3 倍速くなりました。すばらしい成果です。

複雑なスケッチとスカルプでの FPS の増加 - Fusion 360 を使いこなし、スキルが向上するにつれ、作成する設計はより複雑になっていくことでしょう。Fusion の旧バージョンでは、下図のように複数のエンド ポイントが表示される複雑なスケッチでは、フレーム レートがかなり低下していました。この現象はまた、すべての頂点がハイライト表示された T スプライン オブジェクトを選択したときにも見られました。この更新プログラムによってスケッチでの FPS が 20 ~ 50% 改善しました。以前はたった 2.5 FPS で行われていた T スプライン ファイルの操作が、テストでは 20 FPS まで向上して、かなり使いやすくなりました。


HSM
工具ライブラリの統合 - 工具ライブラリが更新され、Fusion の Mac バージョンと PC バージョンとでより一貫した体感が得られるようなりました。同時に複数の工具タイプが表示され、適切な工具の絞り込みと検索ができるようになりました。

CAM カーネルの更新 -CAM カーネルを新しいバージョンに更新したことにより、以下に示すようなその他の問題もまとめて解決しました。
- ごくまれに間違った円弧がツールパス生成時に出力されることがあるという問題が修正されました。
- 2D 面取りに関する、リンクの間違いの問題が修正されました。
- 負荷制御のための誤った短縮モーションが修正されました。
- 180 度の円弧の 2D 輪郭線のカットの最小半径に関する、間違ったツールパスの問題が修正されました。
- ホーム ポジションに移動する際の回転について、間違った短縮モーションの問題が修正されました。
- 輪郭線のアンダーカット切削を行う際の、潜在的な生成の失敗が修正されました。
- CHG 輪郭線の退避リンクが改善されました。
- 3D 加工法のリンク移動で、ごくまれに許容値の 2 倍未満でパーツに干渉することがあるという問題が修正されました。
- CHG 3215 負荷制御の進行状況サポートが改善されました。
- 負荷制御の潜在的な生成エラーが修正されました。
- 輪郭線のシャフトまたはホルダーの潜在的な衝突が修正されました。
- スムーズ移行リンクを使用する場合にまれに起こる干渉が修正されました。
- ID プロファイル旋回のロータリー軸の干渉が修正されました。
- テーパ ツール使用時の潜在的なリンクの干渉が修正されました。
- 輪郭線の傾斜時の潜在的な干渉が修正されました。
- スロットに関する不正なツールパスの問題が修正されました。
Autumn.S が発見したバグでは、ツールパスを作成し、パターンを追加し、パターンを削除しても、ツールパスが画面に残る一方で、それを選択できませんでした。これを修正し、削除すると消えるようにしました。
Lonniecady が発見した 2D 輪郭線カーネル バグでは、スケッチ円弧の中心が HSMWorks 内で正しく表示されませんでした。この問題を精査してコードを改善したところ、正しい位置に配置されるようになりました。これは、すべての HSM ユーザが同じコードベースからメリットを得ることができる良い例です。誰もが勝者となります。
HSM のシミュレーションに関し、動作が安定せず、ミル ターンでのホルダー クラッシュについて実際にはクラッシュしていないのに偽のアラームが表示されるという、いくつかのユーザ フィードバックがありました。この不具合は修正されました。
3D ポケットのらせん状傾斜ツールがパーツを貫通するという、起こるべきでない問題が見つかりました。らせん傾斜角度、直径および最小直径の設定を編集すると発生することが分かっており、連鎖移動やクラッシュが起きていました。この動作を修正し、クラッシュが発生しなくなりました。
アダプティブ ツール パスによって、CNC スピンドルが破壊されるほどツールがストックにプランジするという難しいバグがありました。そこで、このバグを精査し、パスが何らかの理由でパスの再配列処理中に「失われた」ことが分かりました。この問題は、実施した別の修正(傾斜のらせんが見つからなかった場合にツールがあまり深くまで掘り下げないようにする)によって生じていたことが分かりました。この問題は適切に解決することができました。
また、面ミル関連、ツール タイプ フィルタを既定に選択するとき、操作ブラウザ ノードのダブル クリック時の不快なクラッシュの問題を解決しました。
データとコラボレーション
OBJ の書き出し(A360 を使用時) - 良いお知らせをお届けします。Fusion の設計を OBJ として直接 A360 でエクスポートできるようになりました。任意の設計の[設計の詳細]ページにパンチ アウトし、[ダウンロード]ボタンをクリックすると、OBJ オプションが表示されます。この操作を行う必要はなくなりました。チュートリアルの提供について Linus Zoll に感謝します。これによって OBJ への書き出しが少し簡単になりました。
設計の名前に特殊文字が含まれている場合、設計を A360 の別のフォルダに移動しても動作しないという問題がありました。この問題は解決されました。次に進みます。
新しい Fusion アカウントを作成し、サイン インしてデータ パネルから既存の設計をアップロードする場合に、[アップロード]ボタンをクリックしても何も実行されないことがありました。これは「釣り」のボタンではなく、回帰の問題であることが判明しました。新しいアカウントでのアップロードが正常に機能するようになりました。
API
「Supr(最高の)」ギア スクリプトの作成という誤字を指摘してくださった皆さんに感謝します。これは正しいスペルに修正されましたが、「spur(突起)」ギアがまさに最高であることは確かです。
Eightdeltacharlie によって発見された問題ですが、IntersectWithCurve API コールが正しく動作していませんでした。何が起きていたかは定かではありませんが、現在は修正されています。
nnamfoh によって報告された、選択する平面をフィルタリングする API スクリプトの実行時に「不思議なことに」ボディが選択されていたという問題を解決しました。ここでは、不正な「body.copyToComponent」コール バックの問題をトレースすることができました。これは、非常に便利な機能です。この問題は解決されました。
この更新プログラムをリリースした今、この先数回にわたる更新プログラムに盛り込めるよう、便利な新機能の開発に既に着手しています。この夏には、メッシュ作業スペース プレビュー、クラウド シミュレーション、さらに分岐とマージの機能などの重要な更新が予定されていますので、ぜひご期待ください。
Keqing および Fusion チーム