ラチェット機構の実装について

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darkscissors252
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ラチェット機構の実装について

darkscissors252
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現在ラチェットレンチをfusion360と3Dプリンタを用いて作ろうと思っており、肝となるラチェット機構の設計をしているのですが、うまくできません。ラチェット機構自体は理解できるのですが、以下のように反時計回りで締める際に、可動部と固定部分をどのように設計すればいいか分かりません。特に、締める向きを一方向に制限するための爪の設計なんですが、反時計回りに回すと爪も動いてしまい、ラチェットレンチの動きを紹介しているyoutube動画を参照しても設計方法がよく分かりません。グリップ部分を反時計回りに動かした時に、歯車と爪をどのように設計すればうまくいくのかアドバイスをいただきたいです。スクリーンショット 2021-12-01 18.56.36.png

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hide-wada
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@darkscissors252 さんへ こんばんは

 

添付して頂いたファイルを元に、ラチェット機構を作ってみました。(あくまでも一例です。)

これらは、最低限必要な部品で構成しています。 

実際にはスプリング等のラチェットを押える機構とかありますが、そこは作っていません。

爪も実際には動きます(回転或いは移動)。

 

ファイルを添付しますので、参考になればと思います。

 

ラチェット機構ー1.png

 

 

 

Hidetoshi Wada
Mechanical designer

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メッセージ3/39

darkscissors252
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ファイルを添付していただき、ありがとうございます。これって青いグリップ部分を反時計回りに回すと作動するという解釈でよろしいですかね?僕が悩んでいる部分としては、以下の写真で初期状態から下の一定角度反時計回りに回転させた後の元に戻すとき(白い→方向に動かすとき)です。この時にグレーの立体も一緒に動いてしまうと元に戻ってしまうので、緑色の立体を固定させ、青いグリップ部分のみ動くようにしないとラチェット機構にならないのですが、この仕組みをどうすれば実装できるのかが分かりません。スクリーンショット 2021-12-01 23.38.37.png

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メッセージ4/39

hide-wada
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@darkscissors252 さんへ おはようございます。

 

>以下の写真で初期状態から下の一定角度反時計回りに回転させた後の元に戻すとき(白い→方向に動かすとき)です。

>この時にグレーの立体も一緒に動いてしまうと元に戻ってしまうので、緑色の立体を固定させ、青いグリップ部分のみ

>動くようにしないとラチェット機構にならないのですが、この仕組みをどうすれば実装できるのかが分かりません。

この動き(一方向だけに回転するような拘束)は、Fusion360では作れないので、モーションスタディを使って

動かすようにしましたので、見てください。

実は、私も以前に歯車の一方向(ラチェット機構の様な)回転が出来ないか考えた事が有りました。

 

ビデオとファイルを添付しますので、参考になればと思います。

 

ラチェット機構ー2.png

 

 

Hidetoshi Wada
Mechanical designer

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メッセージ5/39

darkscissors252
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これは実際に3Dプリントなり実物を作った際に正しく機能したんでしょうか?fusion360上で動きをシミュレーションする必要はなくて、実際に出力した時に正しく機能すればいいので、機構設計に必要なパーツと構成についてお伺いしたいです。その機構設計をする上で、どうすれば先ほど提示した問題を解決できるのかが個人的にわからないのです。

メッセージ6/39

hide-wada
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@darkscissors252 さんへ こんにちは

 

>これは実際に3Dプリントなり実物を作った際に正しく機能したんでしょうか?

私は、3Dプリントで作った事はありませんが、今までの経験から一つの例としてモデルを作ってみました。

実際には、力がどの程度掛かるのかによって、ギヤーの歯厚や材質・歯数等条件によって違ってきます。

 

>その機構設計をする上で、どうすれば先ほど提示した問題を解決できるのかが個人的にわからないのです。

>青いグリップ部分のみ動くようにしないとラチェット機構にならないのですが、

>この仕組みをどうすれば実装できるのかが分かりません。

ラチェット機構と言っても、沢山の種類があり、力の掛かるモデルから小さな物までありますので、作りたい物に

近いモデルを見つけてはどうでしょうか。

 

一つの方法として、ラチェット機構のレンチ等のモデルを購入し分解して内部構造がどうなっているか寸法も含めて

確認されるのが良いと思います。

或いは、ラチェット機構内部が判るモデルをNetで見つけて、そこから作ってみたらどうでしょうか?

 

>fusion360上で動きをシミュレーションする必要はなくて、実際に出力した時に正しく機能すればいいので、

>機構設計に必要なパーツと構成についてお伺いしたいです。

これについては、それぞれのラチェット機構により違うので、判りません。

一例として作ったモデルは、最低限必要なパーツ構成となっているはずです。

動きのシュミレーションに関してですが、私は必ず動きの有るパーツに関しては、

何らかの方法でシュミレーションしていますので、今回の場合もモーションスタディを使って

動きの確認をさせて頂きました。 干渉や接触等を調べる為です。

 

Hidetoshi Wada
Mechanical designer

EESignature

メッセージ7/39

adachitech7
Consultant
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@darkscissors252 さん、

 

ラチェット機構の基本的な動きと思われるものをモデルで再現してみました。

レバーの回転と爪のスライドを連動させてこの動きを実現する必要がありますね。

どのような動きにしたいのかについて情報を共有していただければ具体的な設計もある程度はできるんじゃないかと思います。

一応データも添付しておきます。参考になればいいのですが。

 

メッセージ8/39

darkscissors252
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ありがとうございます。実際thingiverse やgrabcad などでラチェットレンチの3Dデータ、YouTube で機構の仕組みを紹介した動画を参照し、3Dプリントなどして動きを確認していますが、参考になるモデルがない状態です。目的として、私は今指の細かい操作ができない頚椎損傷者向けに、片手でタオルを絞るための自助具を開発しており、そのタオルを穴に倒してラチェット機構によって一方向にのみ力をかけて絞れるプロダクトを開発したいと考えました。

メッセージ9/39

hide-wada
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@darkscissors252 さんへ こんばんは

 

目的を考えると、ファイルの添付は難しいですし、アイデアを公に出来ないですよね。

 

>片手でタオルを絞るための自助具を開発しており、

これは、タオルを絞るための物と考えるのでしょうか? 

それとも、手のリハビリや手を補う形での理由で一方向に回す事を考えているのでしょうか?

 

タオルを絞ると言う事になると、例えば60度アームを回転させて、アームを元に戻す時にギヤーが戻らない様に

ギヤー側にも、爪が必要になりますね。 

 

私は物事を考える時に、アイデアは一つでは無く、幾つかの方法を考えておくようにしています。

どうしても、一つのアイデアが浮かぶと、これに固執する事がありますので、自分で注意しています。

 

新しい事を考えると言うのはとても大変だと思いますが、頑張ってください。 

アイデアをお手伝いするのは難しいと思いますが、CAD操作等でしたらお手伝い出来ると思いますので。

 

ラチェット機構ー3.png

 

Hidetoshi Wada
Mechanical designer

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メッセージ10/39

darkscissors252
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Advocate

ありがとうございます。これ以外にもいくつかアイデアがありますが、試してみたいものの1つです。機構に関してですが、youtubeの以下の動画を見てみたところ、自分のプロダクトに応用できそうな気がしています。しかし、これが反時計回りに回した時に空転するのは、爪の部分と歯車が接触しないからなんでしょうか?カチカチという音もラチェット機構特有のものだと思うのですが、この仕組みを教えていただきたいです。

https://www.youtube.com/watch?v=xGdn1NKJlzU

メッセージ11/39

shinji_esaki
Collaborator
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@darkscissors252 さん こんばんは

 

アイデアのみとなってしまいますが。

 

ラチェット機構を樹脂のバネ性を利用して作る、というのはすでに検討済みでしょうか。

通常は強く締めるために金属部品を使うと思いますが、この方法でもタオルを絞る用途であれば大丈夫かもしれません。

ギアは回すとして、送る爪や戻らないように固定する爪を本体と一体化させて、樹脂のバネ性のみで対応するイメージです。

 

と、ここまで書いて動画を拝見しました。まさにこれですね。樹脂のバネ性でラチェットを再現しています。

 

時計回りに回すと、腕の先端がギアに当たり、回すことができます。

反時計回りに回した時に空転するのは、腕がギアに押されてしなり、ギアを滑るためです。(腕が金属だとしならないためこの方法ではできません。)

 

樹脂のバネ性を使う機構は他にも考えられるかと思います。どの程度の力を想定するかも必要そうですね。

メッセージ12/39

darkscissors252
Advocate
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なるほど、では接触してないから空転するというのではなく、歯車と爪が接触した時にABSの弾性とバネ性によって音がなり、空転しているのでしょうか?それでは、中の爪より外側の歯車をかなり頑丈にしていないと反時計回りに回した時も歯車も一緒に回ってラチェットとして機能しなくなってしまいますよね?プリントする際に歯車の充填密度を変えるだけで実現可能でしょうか?それとも、歯車を金属で作らないと厳しいですかね?こればかりはやってみないと分かりませんね

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メッセージ13/39

shinji_esaki
Collaborator
Collaborator

腕の強度と歯車の強度、どちらも重要になるかと思います。歯車の軸やタオルを掴む部分、タオルの反対側を固定する部分(も、必要ですよね)、回すためのハンドルなど全てのパーツの強度も考慮する必要があります。

 

充填密度もありますが、積層方向やフィラメントの素材(腕もABSだと硬すぎてしなりにくいかもしれません)も設計段階から考慮にいれるとよいかと思います。これは全体の大きさにも寄りますね。アバウトですが、YouTubeのサイズですとタオルを絞るには脆すぎると思います。

 

当事者の方の力と可動域をいかにしてタオルを絞れる力に変換するかの機構だけでなく、その機構を当事者の方が使いやすいものにするにはどうすればよいか、個人的な意見ですがこれが大切な出発点と感じています。

 

といってはみましたが、私は肝心の機構設計は全くの専門外で。。 3Dプリンターの経験は多少ありますので、その面ではお役に立てるかもしれません。

メッセージ14/39

adachitech7
Consultant
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@darkscissors252 さん、

 

別の機構を考えてみました。

完全には動きをシミュレートできていませんが、動画を見ていただければ一方向にのみ回転する理屈が分かっていただけると思います。

私の作ったモデルではハンドルと爪が別部品で、ばねで爪をギヤ方向に押し付けるという構成になるのですが、この爪の部分を3Dプリントでハンドルと一体化しても機能すると思います。(強度、耐久性の検討は必要ですが)

 

キャプチャ.PNG

 

 

また添付したデータの履歴を最初から一つ一つ追っていただければアセンブリの中でどのように形状を決めていくのか理解できると思います。

分からないところがあればまたご質問ください。

参考になれば幸いです。

メッセージ15/39

darkscissors252
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TPUは柔らかく弾性があるのですが、どうですかね?ABSも下記の動画のように薄くするとしなる(強度はもちろん確保しなければならないですが)と思うのですが、それ以外に3Dプリント素材でしなるものというとあまり思いつきません。

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メッセージ16/39

darkscissors252
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ありがとうございます。ちなみにこれを3Dプリントする場合素材はABSが適しているでしょうか?またギアに押しつけるためのバネなどは輪ゴムで代用できるでしょうか?

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メッセージ17/39

shinji_esaki
Collaborator
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@darkscissors252 さん こんにちは

 

TPUは力を加えたときの変形が大きく、ギアを回すために押し込む力が逃げてしまうと思います。

 

柔軟性と曲げ強さが必要なときは、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)がよく使われます。今回の用途ではPETGでも上手くいくかもしれません。どれも3Dプリンター用のフィラメントとして販売されています。ABSが扱える3Dプリンターなら高温がでますのでこれらも大丈夫かと。ただ、PLAなどと比較するとPPとPEは印刷に少しクセがあります。印刷パラメータの試行錯誤を要するかと思います。

 

今回のように樹脂のバネ性をいかす設計の際は「スナップフィット」、「リビングヒンジ」、「クリップ」などのキーワードで検索すると知見が得られます。どの機構も樹脂を曲げたり、戻る力を利用したりすることに関連があります。多くの記事は3Dプリントよりも精度が高く強度もある射出成形を対象としていますが、変形の捉え方の参考になります。

例えばこのような記事ですね。

二つのパーツをつなぐ、折りたためるリビングヒンジ|月刊メルマガDesignTips|試作・小ロット生産のプロトラブズ (protolabs.co.jp)

ものづくりを強くする-Protomold Design Tips-(41) クリップ、ラッチ、ヒンジの設計 | TECH+ (mynavi.jp)

 

 

メッセージ18/39

darkscissors252
Advocate
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僕もスナップフィットは知っており、PLA・PETG・ABSの3種類のフィラメントを用いて機能するかを確かめたyoutube動画を参照したところ、やはりABSが一番適しているようでした。PPやPEは使ったことがないため、分かりませんが部品も小さいのでABSでできるならやりたいと思っています。再度確認ですが、爪をギアに押し付けるためのバネの役割は輪ゴムなどで代用できますかね?

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メッセージ19/39

adachitech7
Consultant
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@darkscissors252 さん、

 

素材の選定は結構設計の本質的なところに関わってきますのでここでどの素材が適しているかは一概には言えないと思います。

同様のことをやったことがあれば別ですがこういったものを一から設計する場合はステップバイステップで取り組んでいくしかありません。

 

もし私がやるならですが、まずはギヤとハンドルと爪はPLAで作ってみると思います。耐久性、信頼性は別にして構造物として成り立つかを確認するにはPLAという素材はかなり適していてプリントもしやすいです。

 

問題になるのはバネの構造ですが、最初から爪にバネ性を持たせることはせず、コイルバネを用いるかPLA等で板バネを作り、バネだけの部品として実装するのがいいのかなと思います。

 

爪の機能としてはハンドルからの力をギヤに伝えるというものがあり、これは強度や耐久性が必要とされます。一方でバネはしなりと反発力が必要で、これは強度アップの方向とは逆の性質ということになります。

 

爪にバネ性を持たせるということは「硬くて強い」という性質と「柔らかくてよくしなる」という性質を両立させるということで、設計的には結構難易度の高いものになります。

 

なので最初は無理せずにバネを別に設計して、実際にものを作ってから感触をつかみ、場合によっては実験で数値も出し、要求仕様として整理してから「爪とバネの一体化」という設計課題に取り組んではどうでしょうか。

 

ステップバイステップでやるのだという方針を決めたら、最初にたどり着くべきは動作の確認で強度耐久性は後回しでいいと思います。そういう意味ではバネを輪ゴムで代用するのは非常に良いアイデアだと思います。

メッセージ20/39

shinji_esaki
Collaborator
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@darkscissors252 さん

 

機構に関して経験豊富な @adachitech7 さんと @hide-wada さんのコメントを重視していただけたらと願います。

私はホビーとしてやったことはありますが、その域ですので^^