Autodesk Fusion:知っておくと便利な Tips - アセンブリ編

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ページ下部でいくつかの操作を実際に試していただけるサンプル ファイルをダウンロードできます。

アセンブリ ファイルですので、自身のプロジェクトにアップロードしてから使用してください。

 

■ はじめに — Fusion の計算能力が上がっているという話 —

Autodesk Fusion(旧 Fusion 360)は、ここ数年でアセンブリに適したコマンドが多く追加されました。さらに、モデルの更新や計算の処理スピードも確実に上がってきています。

 

以下の構成だと以前ならボディ数 1500 ほど(履歴なし / step)で各動作が遅くなりましたが、現在はボディ数 4000 くらい(履歴あり / f3d)まで、もたつきなく操作できるようになっています。

 

  • CPU: i7-10700K 3.8GHz
  • RAM: 32GB
  • GPU: NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti 6GB

 

Fusion のリリース当初とは比べものにならないくらい、アセンブリに適したソフトに進化しているので、Fusion のアセンブリから離れてしまった方も改めて触ってみていただきたいと思います。

 

 

■ アセンブリの構造とファイル管理

1 ファイル、1 ボディでモデルを作り、アセンブリ専用ファイルにリンク付けを配置して、ジョイントを使って位置固定します。モデルのファイルとアセンブリのファイルを別々に管理します。このような形でアセンブリモデルを作成すると、モデルの修正も簡単にできるのと、部品点数が多くなっても、管理が容易にできます。

 

ボディ数が多いモデルの場合は、個々のパーツでエラー(黄色、赤色)がない、アセンブリ専用ファイル内のジョイントのエラーがない、そして必要な時以外接触セットを使わない、この 3 点に気を付けてアセンブリします。

 

 

■ コンポーネントのカラーを表示

[コンポーネントのカラーを表示] コマンドは、コンポーネントごとに自動で色分け表示にしてくれる機能です。外観が上書きされるわけではなく、一時的に切り替えるだけなので、元の外観情報は維持されます。製品の分かれ目や構造を視覚的に理解しやすくなるので、簡単な説明資料を作る際にも利用できます。

 

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スクリーンショット 2025-09-05 142523.pngコンポーネントのカラーを表示オフの状態

 

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コンポーネントのカラーを表示オンの状態

 

 

■ 接線関係

[接続関係] は、最近追加されたコマンドです。2 つのコンポーネントの面を選択することで、特定の方向ではなく、形状に沿った動きを作ることができます。また、今までのジョイントのモーション タイプではできない動きを作ることができるようになりました。ただし、片方のコンポーネントは固定されている必要があります。

 

 

■ [ジョイントを使用して複製] と [コンポーネントを置換]

・ジョイントを使用して複製

パターン コピー系の複製コマンドでは、コピーしてからジョイントや剛性グループで位置固定をする必要がありますが、[ジョイントを使用して複製] コマンドは、元のパーツのジョイント情報ごとコピーしてくれます。シャフトや特殊なねじ類などを複数配置する際に便利です。一般的なねじ類に関しては、後述する [締結部品を挿入] も便利です。

 

・コンポーネントを置換

このコマンドは、現在配置されているパーツ A を、パーツ B に置き換えたい時に使います。

 

タイムラインの履歴バーをパーツ A と位置固定しているジョイントのところまで戻します。この状態で [コンポーネントを置換] を使って、パーツ B に置き換えます。


ほとんど場合、ジョイントにエラーが出るので、ジョイントの編集を使って、スナップ位置を指定します。 もし置き換えたパーツ B に関連するパーツがある場合は、履歴バーを一度に戻さず、ひとつずつ履歴を戻していきます。ジョイントにエラーが出た場合は、ジョイントの編集を使って修正を行うことでスムーズに置き換ることができます。

 

 

 

■ 締結部品を挿入

2023 年後半に追加され、その後もアップデートで便利になり続けている機能です。通常の規格ねじ類や座金はこのコマンドで配置するのが便利です。

 

・下準備としてよく使う部品をお気に入り登録

規格を JIS に絞り込み、よく使う形状を星マークでお気に入り登録することができます。お気に入り登録した部品に素早くアクセスできるため、効率良く作業ができるようになります。

 

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・操作例 1: 自動サイズ、セカンダリジオメトリの利用

まず自動的に呼び、サイズを選択させる方法で平座金、ばね座金、ボルトの順で配置します。

 

自動的にサイズを指定する時は、丸穴のエッジにマウスをホバーする(上に重ねる)と、部品の規格サイズを自動で選択してくれますが、もし意図したサイズと違う時は、ネジ部をマウスでホバーすると自動(3)のようにサイズを表示してくれます。選択をキャンセルしなくても、マウスを穴の位置に合わせるだけで都度サイズを調整してくれるようになっています。

 

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動画のように穴のエッジを直接選択できない場合、[位置] で穴の側面を選択した後、[セカンダリジオメトリ] として配置する高さの面を選択することで穴と同心円上の任意の面に部品を配置することができます。複数個所に部品を配置する場合、2 つ目以降はセカンダリジオメトリを選択する必要はありません。ボルトの長さなどは多くの場合、配置する際に呼び長さとして値を入力します。

 

 

・操作例 2: [同様のものを選択] を外して選択する

部品を配置する際に [同様のものを選択] コマンドはとても便利ですが、不要な個所に部品が配置される場合はチェックを外して配置しましょう。

 

 

・使用例 3: [同様のものを選択] を使ったうえで選択を追加する

動画はネジ部は M3 で共通ですが、丸穴の大きさが Φ3.2 と Φ4 と 2 種類あり、[同様のものを選択] ですべて選択できないようになっています。こういった場合は、同コマンドで数の多い方をまとめて選択した後、[同様のものを選択] のチェックを外し、残りを選択することで効率が良くなります。

 

 

■ インプレイス編集

[インプレイス編集] は、部品を組んだアセンブリの状態で個別の部品の修正を行えるようになるコマンドです。別の画面で部品を開くのではなく、相手となる部品と組んだ状態で編集できるという大きなメリットがあります。

 

別画面で開くのに比べ、一部のコマンドに制限がありますが、アップデートで使えるコマンドが増えているため、現在は遜色なく編集することができます。

 

[インプレイス編集] に入ると、タイムラインがアセンブリのデザインではなく、その部品のタイムラインになり、編集可能な状態となります。[インプレイス編集] を終了する際は、画面中央上部の [インプレイス編集を終了] を押します。

 

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■ [コピーを名前を付けて保存] と [名前を付けて保存して置換]

 

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先述した [コンポーネントを置換] を使いたいけれども、置き換えしたいモデルを作成していない場合はこのコマンドを使います。


[コピーを名前を付けて保存] は、オリジナルのコピーが別ファイルで作成されるので、別画面で開き修正した後にモデルを置換、または流用することができます。[名前を付けて保存して置換] もオリジナルのコピーが作られ、アセンブリ内に使われる部品はコピーの方に置き換えられます。

 

[名前を付けて保存して置換] は、元のパーツの修正が少ない場合に適しています。私は [コピーを名前を付けて保存] は、一度保存してからモデルを単独で開き、修正を行うときに使います。修正が多い時に使用する頻度が高いかもしれません。オリジナルの部品をどう残すか、どのような編集アプローチにするかなど、運用に合わせて使い分けます。

 

 

■ レスト機能

この機能は、コンポーネントをドラッグして動かした後に自動で特定の位置に戻ってくるようにしてくれます。

 

ジョイントの設定時、もしくは既存のジョイトを右クリックして、[モーション制限を編集] を押すと、モーション制限の設定(どこからどこまで動けるようにするか)を行うことができます。

 

[レスト] にチェックを入れて値を入力することで、その位置に戻ってくるようになります。スイッチやシャフトのアセンブリで、毎回基準位置に戻ってほしい場合は、レストを設定しておくと便利です。

 

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■ ctrl キーを押しながらスナップ点の選択

長い穴の中央部分などをジョイントの点として選択したいとき、普通にマウス カーソルを持って行っても、手前の要素に吸われて上手く選択できない場合があります。そんな時は見えている円の面にカーソルを置き、画面に選択したいスナップ点が出ている状態で ctrl キーを押しながらマウスを動かすと、表示されているスナップ点以外は選択されなくなり、スムーズに選択することができます。

 

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