AutoCAD 2025のAccoreconsole.exe でSystem.Data.OleDbを参照するプラグインのカスタムコマンドを実行すると、Accoreconsole.exeが異常終了するAutoCAD 2025のAccoreconsole.exe でSystem.Data.OleDbを参照するプラグインのカスタムコマンドを実行すると、Accoreconsole.exeが異常終了してしまいます。
なお、プラグインはAutoCAD 2025に合わせて.net 8を利用するように移植済みです。
また、System.Data.OleDbはVisual Studio のNugetパッケージマネージャから 9.0.2をプロジェクトにインストールして使用しています。
AutoCAD インストールフォルダ配下のSystem.Data.OleDb.dllのバージョンと、プラグインプロジェクトのNugetでインストールしているSystem.Data.OleDb.dllのバージョンの差異に起因してAccoreconsole.exeが異常終了している状況です。
AutoCAD 2024以前は、.NET FrameworkのAppDomain機能を用いてプラグインは分離された実行空間にロード・実行されていました。AutoCADが利用するアセンブリとは異なるバージョンのアセンブリをプラグインが参照している場合でも問題なく実行することが出来ておりました。
一方で、AutoCAD 2025では、従来の.NET Frameworkから、.NET Core(.NET 8)にサポートプラットフォームが変更されましたが、この.NET CoreではAppDomain機能がサポートされておらず、すべてのプラグインとその参照アセンブリは同じ実行空間にロードされます。このため、AutoCADとプラグイン、または異なるプラグイン間でバージョンの異なる同じアセンブリを参照している場合、競合が発生して異常終了等の予期せぬ事態が発生することがあります(参照アセンブリによっては異常終了せず動作する場合もあります)。
System.Data.OleDbに特化した解決方法としては、プラグインが参照するSystem.Data.OleDbのライブラリをAutoCADのインストールフォルダ配下の者とすることで、問題を解消することが可能です。
以下、手順となります。
1.VisualStudio のプロジェクトからSystem.Data.OleDbのNugetパッケージを削除する
2.代わりに、VisualStudio のプロジェクトの参照設定で、AutoCADのインストールフォルダ(acad.exeおよびaccoreconsole.exeがあるフォルダ)配下のSystem.Data.OleDb.dllを参照ファイルに追加をする。
また、System.Data.OleDbに特化しない一般的な解決方法としては、.NET Coreが提供するAssemblyLoadContext機能を用いて、カスタム処理を異なる空間で実行することにより、参照するアセンブリのバージョン違いによる干渉を防ぐ方法となります。
AssemblyLoadContext機能については、Microsoft社の提供するマテリアル「System.Runtime.Loader.AssemblyLoadContext について」をご参照ください。